ホームページ作成でやってはいけないこと18選!企画から外注選びまで段階別に解説
「せっかくホームページを作ったのになぜか効果が出ない……」こんな風に悩んでいる人は、もしかするとホームページの作成の過程でやってはいけないことをしてしまっているかもしれません。
この記事では、ホームページ作成でやってはいけないことについて、企画から外注選びまでの6つの段階に分けて全18項目で解説します。今回紹介する18の項目を押さえれば、ホームページ作成で失敗する確率はぐっと下がります。
ぜひ参考にしてみてください。
目次
ホームページ作成の企画でやってはいけないこと
ホームページの作成は、企画の段階から注意すべきことがあります。ホームページの企画段階でやってはいけないことが、以下の3点です。
- 制作する目的を決めていない
- KPIを決めていない
- 競合調査や分析を行っていない
ポイントは、何の目的でホームページを作るかを明確にしなくてはならない、ということです。目的をはっきりさせるために競合調査や分析を行い、目的達成のためにKPIを設定します。以下、ホームページの企画でやってはいけないことについて詳しく解説します。
制作する目的を決めていない
もっとも重要なのが、ホームページを制作する目的を決めることです。方向性を定めずにホームページを作ろうとすると、いつまで経っても完成させられずに、時間とお金を無駄に費やしてしまいます。
ホームページを作る目的は、例えば次のようなものがあります。
- ブランドイメージを向上させたい
- 新規顧客を開拓したい
- ホームページから製品を購入して欲しい
- 顧客に最新情報を届けたい
- 知名度を上げたい etc…
目的によって作るべきホームページは異なります。例えば、ブランドイメージを向上させたいなら、デザインやコンテンツを重視したホームページが必要です。一方、ホームページから製品を購入して欲しいのなら、ユーザーが買いやすいように導線を分かりやすくするなど利便性を重視します。
ホームページを作る前に、なぜ作るのかについて徹底的に議論しましょう。目的を明確化することで作るべきホームページの方向性が見えてきます。
KPIを決めていない
ホームページを作る目的がはっきりした後は、それを達成するためにKPIを設定することが大切です。KPIは「Key Performance Indicator」の略語で、目的の達成率を測る指標となるような数値目標のことです。
KPIは中間目標のようなものと考えると分かりやすいでしょう。例えば、ホームページを作る目的が製品を購入してもらうことだとすると、設定するべきKPIとして次のような指標が考えられます。
- 月間50万PV
- 製品購入ページのクリック率5%向上
- 月間問い合わせ300件獲得
- 新規リード100人獲得 etc…
こういった数値目標を積み上げることで、大きな目的を達成するイメージです。KPIを設定することで、目的を達成するために具体的に何をすれば良いのかが明確になります。
競合調査や分析を行っていない
ホームページを企画する際は、競合の調査と分析が欠かせません。競合調査を行わなければ、似たようなホームページを作ったり、必要な要素が欠けている利用しにくいホームページを作ったりする恐れがあります。
競合の調査と分析では、以下のようなポイントをチェックしましょう。
- どのようなデザインのホームページを作っているか
- どのようなコンテンツを作っているか
- 何を目的としてホームページを作っているか
- どの競合のホームページにも必ずある要素は何か etc…
競合調査で重要なのは、自社のホームページに足りないものを取り入れつつ、競合にはない自社の強みを見つけることです。参考にすべきことは参考にしながら、自社独自の要素をホームページに盛り込みましょう。
ホームページ作成の準備でやってはいけないこと
ホームページの企画が済んだら、実際に作成する前にいくつかの準備をしなくてはなりません。準備を怠ると後になって大きなトラブルが起こる可能性があります。
ホームページ作成の準備でとりわけやってはいけないことが、次の3つです。
- 無料のレンタルサーバーを使う
- モバイル対応していない
- SSL化をしていない
これらの準備不足を解消することで、トラブルを未然に防ぐことができるでしょう。ここではホームページ作成の準備でやってはいけないことについて、具体的に解説します。
無料のレンタルサーバーを使う
ホームページを開設するには、データを保管・配信するためのサーバーを準備する必要があります。サーバーは自社で管理することもできますが、コストがかかるためレンタルするのが一般的です。
ホームページを保管するサーバーは、必ず有料のレンタルサーバーを契約しましょう。無料のレンタルサーバーではトラブルが起こる可能性があります。
具体的なトラブルとして、無料のレンタルサーバーは容量が少なく、必要なコンテンツを配信できない恐れがあります。また、転送量も少ないため表示スピードが遅くなるなど、動作が不安定になることも覚悟しなくてはなりません。
何より無料のレンタルサーバーは突然サービスを停止するリスクがあり、せっかく作ったホームページが消えてしまう危険性があります。こういったトラブルを避けるため、ホームページを作成する際は、必ず安定性と信頼性の高い有料のレンタルサーバーを利用しましょう。
モバイル対応していない
現代のホームページでは、モバイル対応が必須です。必ずスマホでもきれいに表示されるようなホームページを作成しましょう。
ホームページをモバイル対応するには、レスポンシブデザインを採用します。レスポンシブデザインとは、デバイスのサイズに合わせてホームページの表示を自動的に見やすく変えてくれるデザインのことです。
レスポンシブデザインを使えば、パソコンでは2カラムで表示されるホームページを、画面の小さいスマホでは1カラムに表示する、といったことが可能です。
レスポンシブデザインを実装するにはHTMLやCSSの知識が不可欠ですが、WordPressなどのCMSでは最初から対応しているケースが多いです。ホームページ作成の際は、必ずレスポンシブデザインに対応できる準備をしておきましょう。
SSL化をしていない
ホームページは必ずSSL化するようにしましょう。SSLとは、インターネット上の通信を暗号化して行う仕組みのことです。
SSL化していないホームページでは、ユーザーが発信した情報が全て筒抜けになってしまいます。SSL化していないホームページで製品を購入すると、以下のような情報が盗まれてしまう恐れがあり非常に危険です。
- 氏名
- 住所
- クレジットカード番号
- ログインパスワード etc…
ホームページをSSL化するメリットは、こうした情報漏洩を未然に防いで、顧客の信頼を獲得する点にあります。顧客が安心して利用できるホームページを作るために、必ずSSL化は行いましょう。
SSL化は無料でも行えますが、信頼性を担保するには認証レベルの高い有料のSSLがおすすめです。年間10万円程度の費用がかかりますが、ホームページの信頼性を高めるために利用を検討してください。
ホームページ作成のデザインでやってはいけないこと
ホームページのデザインは、企業に対するイメージを形作るとても重要な要素です。デザインをおろそかにすると、ユーザーへ誤ったイメージを伝えてしまう恐れがあります。
ホームページのデザイン作成で特にやってはいけないことが、次の3つです。
- トンマナを決めていない
- ターゲットやコンセプトに合っていない
- 文字が小さく視認性が低い
ホームページのデザインで注意すべきポイントは、一貫性を持たせることです。統一感のあるデザインを作成することで、ユーザーに信頼感を与えることができます。
トンマナを決めていない
ホームページに統一感を与えるために、トンマナを決めておきましょう。トンマナとは「トーン&マナー」の略で、デザイン上のルールのことです。以下はトンマナを決めておくべき項目の例です。
- 文体(ですます調、である調)
- フォント
- 文字組・レイアウト
- 配色
- 記号や数字の表記 etc…
トンマナを決めることで一貫した印象をユーザーに与えることができます。例えば、文体をですます調にすれば丁寧に説明してくれるような印象になります。である調にすると固く知的な印象を与えられるでしょう。
文体だけでなくフォントや文字組、配色等にも統一感を持たせます。特に配色については企業のイメージに大きな影響を与えるため、メインカラーやサブカラーをどの色にするか、どのような場面で使うのか、慎重に決めましょう。
ターゲットやコンセプトに合っていない
ホームページのデザインは、自社のターゲットやコンセプトに合ったものを作りましょう。ターゲットやコンセプトを無視したデザインでは、誤ったメッセージを伝えてしまう恐れがあります。
例えば、高齢者をターゲットとする介護施設のホームページは、安心感を与える落ち着いた色合いでデザインするのが適切です。電気自動車を作る企業のホームページは、自動車の重工業的なイメージを和らげるために緑や青といったカラーを取り入れてデザインするのがよいでしょう。
ホームページのデザインは、ターゲットやコンセプトが決まっていないと適切なものが作れません。企画段階でこれらについて熟考しておくことが大切です。
文字が小さく視認性が低い
ホームページのデザインは、文字の視認性も重要です。特に、現代はスマホからホームページを閲覧するユーザーが大半ですので、文字が小さくて見にくいと読んでもらえない可能性があります。
ホームページのフォントサイズは、16pxが基本であるとされています。16pxというフォントサイズは多くのホームページで採用されており、ブラウザのデフォルトのサイズも16pxになっていることが多いです。
ただし、文字の大きさはターゲットとなるユーザーに合わせることが大切です。例えば、子どもや高齢者向けのホームページでは、フォントサイズを大きくした方が好まれるでしょう。
その他、メニューボタンの文字は大きくするなど、文字の大きさによってユーザビリティも改善できます。何となく文字を大きくするのではなく、ユーザーが利用しやすいホームページ作りを意識することが大切です。
ホームページ作成のSEOでやってはいけないこと
ホームページを多くの人に見てもらうには、SEOを意識して作成することが大切です。SEOとは「検索エンジン最適化」のことで、Googleなどの検索エンジンがホームページの内容を理解できるように最適化することです。
適切にSEOを行えばGoogleの検索順位で上位をとれますが、不適切なSEOは順位を下げてしまいます。特に、以下の3つはやってはいけないSEOの代表例です。
- 他サイトのテキストをコピーしている
- 画像サイズが大きすぎる
- 外部リンクを大量に購入する
他サイトのテキストをコピーしている
検索順位で上位をとっているライバルサイトのテキストをコピーしてコンテンツを作っても、SEOの効果はありません。それどころか、コピーコンテンツとしてペナルティを受ける可能性さえあります。
Googleはコンテンツの作成時期やホームページの運営歴から、コピーコンテンツかどうかを判断するとされています。テキストがほとんど同じであるなら、古い時期に作られたコンテンツの方がオリジナルであるとされるのです。
特定のキーワードで記事を作ろうとすると、内容が似通うことがどうしてもあります。コピーとみなされないようにするには、構成を分かりやすく変えたり、他サイトにはない情報を盛り込んだり、ターゲットに合わせて文体を変えたりといった工夫が必要です。
コピー判定にはコピペチェッカーと呼ばれるツールを使うのが便利です。コピペチェッカーにかけて一致率の低いコンテンツ作りを目指しましょう。
画像サイズが大きすぎる
画像を用いて分かりやすく情報を伝えることは、SEO対策として有効です。しかし、画像のサイズには注意しなくてはなりません。ここでいう画像サイズというのは、画像のデータ容量のことです。
画像サイズが大きすぎるとページを読み込むのに時間がかかってしまい、表示が遅くなってしまいます。表示の遅いページは利便性が低いとみなされ、検索エンジンからの評価が下がってしまう傾向にあります。
ホームページに使う画像は、圧縮してサイズを小さくすることが重要です。1枚あたりおよそ200KBまで、理想は100KB以下に抑えることです。
ホームページの表示スピードが早いほど、SEO的には有利です。画像サイズを小さくしてサクサク表示されるホームページを目指しましょう。
外部リンクを大量に購入する
外部リンクを業者から大量に購入するというSEO対策は、かつては多くのホームページで行われていましたが、現在では決してやってはいけません。外部リンクとは、他のサイトから自分のホームページへと貼られたリンクのことです。
検索エンジンのアルゴリズムは、外部リンクの多いホームページほど評価を高くする傾向があります。しかし、だからといって業者から外部リンクを購入してしまうと、検索エンジンから不正なホームページとみなされ、ペナルティを与えられてしまいます。
外部リンクを購入するSEO対策は、かつては一般的な手法でした。古いSEOの教科書では、外部リンクを購入して検索順位を上げる方法が紹介されているかもしれません。
しかし、この手法で不正に評価を得ているホームページは、ユーザーも検索エンジンもだます悪質なサイトとみなされるため、現在では通用しません。絶対に行わないようにしましょう。
ホームページ作成の運用でやってはいけないこと
ホームページは作ってしまえばそれでおしまい、というものではありません。適切に運用しながらより良く改善することが大切です。
ホームページを運用するうえでやってはいけないことは、次の3つです。
- アクセス解析による分析を行っていない
- ホームページの更新をしない
- 新規コンテンツの制作を行っていない
大切なのは、「作りっぱなし」にしないということです。ホームページの状況を逐一チェックし、定期的に情報を更新するようにしましょう。
アクセス解析による分析を行っていない
ホームページを公開したら、必ず毎日アクセス解析を行いましょう。アクセス解析をしなければホームページの現状を把握できず、改善点も見つかりません。
アクセス解析の基本は、以下の2つのツールを使用することです。
- グーグルアナリティクス
- グーグルサーチコンソール
グーグルアナリティクスでは、ホームページを訪れた新規ユーザー数やpv数、流入元などをチェックできます。サーチコンソールではホームページを訪れた人がどのようなキーワードで検索しているのかなど、検索エンジンからの流入の分析ができます。
アクセス解析による分析を行う際は、企画段階で決めたKPIを参照しましょう。アクセス数などのKPIを達成できているか確認し、できていない場合は何が問題なのか分析し改善します。
ホームページの更新をしない
ホームページを作っただけで満足してしまい、その後の更新をせずに放置するのはもっともやってはいけないことです。
ユーザーがホームページを閲覧するのは、企業や製品について最新の情報を知りたいからです。何年も前の情報を掲載しているホームページにはほとんど価値がありません。
更新されず放置されてしまうのは、何となく作られたホームページにありがちです。ホームページを作る目的が定まっていないため、何をすれば良いのかわからなくなってしまうからです。
ホームページを定期的に更新するには、企画の段階から目的をはっきり定めることが大切です。目的が明確になっていれば、達成のためにやるべきことがたくさん見えてくるでしょう。
新規コンテンツの制作を行っていない
情報を定期的に更新しても、新規コンテンツを制作していないホームページはすたれてしまいます。人を呼び込む魅力がないからです。
ホームページを閲覧してもらうには、常に新しい情報を発信してユーザーに注目されなくてはなりません。そのためには既存のコンテンツの更新だけではなく、新規コンテンツの作成が不可欠です。
新規コンテンツの作成は、SEO的にも効果があります。Googleなどの検索エンジンは、頻繁に新規コンテンツを作るサイトを評価する傾向にあります。
新規コンテンツの作成頻度は、基本的に高ければ高いほど良いです。ホームページの形態にもよっては難しいかもしれませんが、ブログなどを活用して週に1ページは新規コンテンツを作ると良いでしょう。
ホームページ作成の外注選びでやってはいけないこと
ホームページの作成をすべて外注している、という企業も多いでしょう。しかし、外注業者は適当に選んではいけません。
ホームページ作成の外注選びでやってはいけないことは、次の3つです。
- 複数社に見積もりを依頼していない
- 安さだけで選んでしまう
- 会社の規模だけで選んでしまう
ホームページ作成の外注というと、つい費用にばかり目が行ってしまいがちですが、それ以外にも重要なポイントはあります。ここではホームページ作成の外注業者選びでやってはいけないことについて詳しく解説します。
複数社に見積もりを依頼していない
ホームページ作成の外注先を探す際は、複数社に相見積もりを依頼しましょう。相見積もりを行った方が良い理由は、相場を知ることができるからです。
ホームページ作成の外注費用は作りたいサイトの規模や仕様によって大きく異なるため、ネット上に記載された相場があてにならないケースがよくあります。そのため、自社のホームページの正確な制作費用を知るには、見積もりを出してもらうことが何より大切です。
複数社に相見積もりを依頼することで、怪しい業者を選別することもできます。例えば、相場に比べて安すぎる金額を提示する業者や品名をあいまいに表示している業者は、避けた方がよいでしょう。
安さだけで選んでしまう
ホームページ作成の外注は、見積もり金額の安い会社を選べばよいというわけではありません。むしろ相場に比べて安い金額を提示する業者は注意が必要です。
例えば、人件費を削って安くしている業者は、他の業者よりも技術的に劣っている可能性があります。また、他の業者よりも見積もりの品名を減らして安くしている業者は、必要な作業まで削っているかもしれません。
加えて、ホームページ作成業者の中には安さを強調した広告や見積もりを出しておきながら、作成後に高額な請求を行う悪徳業者もあります。相場に比べて異常に安すぎる価格を提示する業者は、悪徳業者かもしれません。
ホームページ作成を外注する際は、安さだけで選ばず、業者の実績や料金体系などもチェックしましょう。そういった情報から信頼性の高い業者を選ぶことができます。
会社の規模だけで選んでしまう
規模の大きい会社だからといって、理想的なホームページを作成してくれるとは限りません。ホームページ作成業者にはそれぞれ強みと苦手分野があります。
例えば、企業のコーポレートサイトを作りたい場合に、ECサイトでの制作実績が豊富な業者に外注するのはあまりおすすめできません。コーポレートサイトを作るノウハウが足りない可能性があるからです。
業者の強みや苦手分野を知るには、業者のホームページに掲載されている実績を確認しましょう。過去にその業者が作ってきたホームページを参考にすることで、外注を依頼すべきか判断がつけられます。
業者選びで重要なのは会社の規模ではなく、理想的なホームページを作ってくれるかどうかです。業者が公開している実績はとても参考になるので、必ずチェックしてください。
まとめ
ホームページ作成でやってはいけないことを、6つのポイントから18項目に渡って解説しました。これらのポイントを事前に押さえておけば、ホームページ作成で失敗する確率はかなり下げられるでしょう。
もっとも重要なポイントは、何のためにホームページを作るのか、自社内ではっきりさせることです。ビジョンの共有ができなければ、いくらきれいなホームページを作っても思うような成果は上げられません。
ホームページを作る目的がはっきりすれば、何をすべきかはおのずと見えてきます。ぜひこの記事を参考に、理想的なホームページを作り上げてください。