ホームページをリニューアルするメリットは?必要性や進め方・実装までの期間を解説
「会社のホームページを10年近くリニューアルしていない……」このようなケースは要注意です。古くなったホームページを使い続けていると、アクセス数が減るだけでなく信頼性も失い、競合他社に遅れをとってしまう可能性があります。
一度作ったホームページは時代と状況に合わせて、定期的にリニューアルすることが大切です。この記事では、ホームページをリニューアルするメリットや具体的な進め方、リニューアルまでの期間について解説します。
目次
ホームページをリニューアルするメリット
ホームページは時代や状況に合わせて定期的にリニューアルすることが大切です。ホームページをリニューアルするメリットは、3つあります。
- SEOの向上やアクセス数の増加が期待できる
- ブランディングやイメージ向上に繋げられる
- ホームページの導線が整理できる
ホームページを長く運営していると、コンテンツ作りに追われて目的を見失うことがよくあります。ホームページの状況を定期的に確認し、アクセス数が落ちていたり、ブランドイメージが膠着していたりするなら、リニューアルを検討しましょう。
SEOの向上やアクセス数の増加が期待できる
ホームページをリニューアルする1つ目のメリットは、SEOの強化を行いアクセス数を増加させることです。適切にSEO対策を行えばGoogleの検索順位が上昇し、アクセス数が増えます。
SEO対策として重要なのは、記事のリライトです。リライトでは以下のような作業を行います。
- 文章の推敲
- 画像の挿入
- 目標キーワードの再設定
- 内部リンク追加
- メタディスクリプション設定 etc…
読みやすく文章を遂行したりわかりやすい画像を入れるのはもちろん、目標キーワードを再設定してリライトしたり、内部リンクを貼って回遊性を高めるといった細かな修正も大切です。
リライトの他には、スマホに対応したデザインにしたり、Webサイトの表示速度を上げたりといった施策も重要です。適切なSEO対策を行うことで、アクセス数を向上させましょう。
ブランディングやイメージ向上に繋げられる
ホームページをリニューアルする2つ目のメリットは、企業のブランドイメージを向上させられることです。企業のイメージを良くすることで信頼性を高め、コンバージョン数の向上につなげます。
ブランディング戦略として重要なのは、ホームページのデザインをリニューアルすることです。デザインを通じて企業のイメージをユーザーへ伝えます。
例えば、IT系の企業であればインテリジェンスな雰囲気を出すために、原色は使わずシンプルでスタイリッシュなデザインが求められます。介護サービスのホームページであれば、柔らかい色調を使った親しみやすいデザインが適切です。
注意点として、ホームページのデザインをリニューアルする際は機能性も考慮しましょう。デザイン性を追求しすぎて、ユーザーが使いにくいホームページにならないように気をつけてください。
ホームページの導線が整理できる
ホームページをリニューアルする3つ目のメリットは、導線を整理できることです。コンバージョンにつながるページや新製品の紹介ページなど、見てもらいたいページへユーザーがアクセスできるよう改善します。
導線の整理には、グローバルメニューやサイドメニューなどのナビゲーションを活用しましょう。ナビゲーションを適切に使うことで、どこにどのようなページがあるのか一目でわかるようになります。
また、各ページを内部リンクでつなぐことも大切です。内部リンクを貼ることでコンバージョンにつながるページへの導線を増やします。
ただし、内部リンクを貼る際は、コンテンツ的に関連するページへリンクするようにしましょう。関係ないページへリンクが貼られていると、ユーザーは信頼感を失ってしまうため、注意してください。
ホームページのリニューアルをするタイミング
ホームページのリニューアルは、やみくもに数をこなしても意味がありません。リニューアルすべき適切なタイミングがあります。
具体的には、次の5つのタイミングでホームページをリニューアルするとよいでしょう。
- デザインが古く競争力が落ちている
- アクセス数やコンバージョンが低下している
- サイトの運用を効率化したい
- スマートフォンでの操作性を向上したい
- ブランディングを向上したい
ホームページのリニューアルは大掛かりなプロジェクトになる場合があります。適切なタイミングで行うことで、最低限のリソースで最高のパフォーマンスを目指しましょう。
デザインが古く競争力が落ちている
競合に比べてホームページのデザインが古くなったら、リニューアルを検討しましょう。デザインが古いだけで競争力が落ちてしまうからです。
デザインが古いホームページの特徴として、例えば以下が挙げられます。
- 古い画像を使っている
- 装飾が派手でゴテゴテしている
- フォントが小さい
- リンク切れのページが多い
- 採用情報が数年前で止まっている
- 表示速度が遅い
- スマホ表示に対応していない etc…
この中でも特に問題なのは、スマホに対応していないことです。現代のユーザーはほとんどがスマホでインターネットを閲覧するため、スマホに対応していないページは見られないし、Googleからの評価も下がります。
古臭いデザインのホームページは、情報も古いと思われて企業の信頼性も下がります。競合のホームページを参考にしつつ、現代風にデザインをリニューアルしましょう。
アクセス数やコンバージョンが低下している
アクセス数やコンバージョン数が右肩下がりになっているときも、ホームページをリニューアルするタイミングです。Googleアナリティクスなど分析ツールでリニューアルすべきか判断しましょう。
アクセス数の改善には、コンテンツのリライトが効果を発揮します。特に、Google検索での流入が多いホームページは、SEOを意識したリライトで改善する可能性が高いです。
コンバージョン数が低下している場合は、サイトの導線に問題があるかもしれません。どのページでコンバージョンを目指すのかを明確にし、そこへの導線を増やしましょう。
ただし、リニューアルする前に、まずはアクセス数やコンバージョン数が低下している原因を特定しましょう。原因が明確になってはじめて、リニューアルの方針が定まります。
サイトの運用を効率化したい
Web担当とコンテンツ作成担当が別の部署に分かれていたり、サイトの運用を外部に委託していたりするときは、ホームページのリニューアルによって運用を効率化させましょう。
ホームページ運用を効率化するには、CMSの導入がおすすめです。CMSとはコンテンツマネジメントシステムの略で、HTMLなど特別な知識がなくてもホームページが作れるシステムのことです。
例えば、代表的なCMSであるWordPressを導入すれば、「テーマ」と呼ばれるデザインテンプレートを使ってホームページをリニューアルできます。記事の投稿や画像の挿入もブログ感覚で誰でも簡単に行えます。
ただし、CMSの導入はホームページに新たなシステムを組み込むことになるため、表示が乱れるなど予期せぬ不具合が起こる可能性があります。CMS導入に際しては、必ずバックアップを取るようにしましょう。
スマートフォンでの操作性を向上したい
ホームページがスマホに対応していないときも、ホームページをリニューアルすべきです。現代のインターネットはスマホで閲覧する人がほとんどです。
スマホでの操作性を向上させたい場合は、レスポンシブデザインを採用しましょう。レスポンシブデザインとは、PCやスマホ、タブレットなどデバイスごとの画面の大きさに合わせて表示が変わるホームーページのデザインのことです。
例えば、PCではページの左側に表示されるサイドメニューを、スマホでは折りたたみメニューにして必要なときに開けるようにしておく、といったことができます。
レスポンシブデザインを導入するには、HTMLやCSSの専門知識が不可欠です。社内に人材がなければ外注するか、レスポンシブデザインに対応したCMSの導入を検討しましょう。
ブランディングを向上したい
自社のブランドイメージを向上させたいときも、ホームページのリニューアルが解決策になります。ターゲットにとって安心できる、利用したいと思えるホームページ作りをブランディング戦略に組み込みましょう。
具体的には、サイトのデザインを変更することが重要です。古臭いデザインを新しくするのはもちろん、デザインを通じて企業の理念やミッション、企業イメージがユーザーに伝わるように改善します。
通販サイトであれば、利用者が使いやすいようデザインを変えたり、製品に関するコンテンツを定期的に配信することが大切です。ユーザーファーストのホームページ作りを目指しましょう。
その他、季節や新商品の発売に合わせてホームページをマイナーチェンジすることも、企業のブランディングに役立ちます。
ホームページのリニューアル目安は?
ホームページをリニューアルする時期の目安は、おおむね3~5年と言われています。消費者からの信頼が重要なBtoC企業のホームページほど、早いサイクルでリニューアルすべきとされています。
3~5年でリニューアルすべきとされている主な理由は、このくらいの周期でサイトのデザインが古くなるからです。また、会計上ホームページの耐用年数が5年とされていることも理由の1つです。
ただし、3~5年という周期は、あくまでも目安です。ホームページは必要なときに必要なだけリニューアルするようにしましょう。
リニューアルする時期を知るには、何のためにホームページを運営しているのかを明確にすることが大切です。目的を持って運用することで、今のホームページに何が足りないか、どこを改善すべきかがわかるようになるでしょう。
ホームページのリニューアルで失敗する3つの原因
費用をかけてホームページをリニューアルしても、思うような成果が得られなかった……このような失敗はしばしば起こります。ホームページのリニューアルで失敗する原因は、次の3つです。
- 課題の明確や解決案が吟味されていない
- ユーザビリティや操作性が悪い
- SEO対策ができていない
失敗する原因を意識せずにホームページをリニューアルしても、お金と時間を無駄にしてしまいます。これら3つの失敗原因について、具体的に見ていきましょう。
課題の明確や解決案が吟味されていない
失敗する原因の1つ目は、なぜホームページのリニューアルが必要なのか十分議論せずに行うことです。ホームページをリニューアルする前に、課題とその解決案をしっかり吟味しなくてはなりません。
ポイントは、課題を明確にするだけでなく、解決案も必ず吟味することです。課題に対する適切な解決策をとらなければ、時間とお金を無駄にしてしまいます。
例えば、コンバージョン数の向上を目的とするのに、コンテンツのリライトをするのは非効率的です。この場合、CTAの設置など導線を整理することが、より効果的な解決案となります。
問題が複数ある場合は、複数の解決案が必要な場合もあります。1箇所のリニューアルですべての課題を解決できるとは思わないようにしましょう。
ユーザビリティや操作性が悪い
失敗する原因の2つ目は、ユーザビリティや操作性を考慮せずにリニューアルすることです。特にデザインのリニューアルを行う際に犯してしまいがちな失敗です。
例えば、スタイリッシュなデザインにするため、ホームーページにアクセスする度短いムービーを流すようリニューアルするとします。このようなデザインは確かにカッコいいのですが、ユーザーは毎回ムービーを見なくてはならず、大変なストレスです。
デザインをリニューアルする際は、見た目の雰囲気だけでなく機能性も重視することが大切です。それまでホームページを利用していたユーザーが困惑しないよう、ユーザビリティや操作性に十分注意を払いましょう。
SEO対策ができていない
失敗する原因の3つ目は、SEO対策を無視してリニューアルすることです。この問題は、サイトのURLを変更するような大々的なリニューアルを行う場合によく起こります。
Google検索のアルゴリズムでは、Webサイトのドメインパワーが検索結果に影響するとされています。ドメインパワーはWebサイトの強さを表す指標で、検索エンジンに信頼されているWebサイトほど強くなります。
ホームページのリニューアルによってドメインが変わると、それまで築いてきたドメインパワーがゼロに戻ってしまいます。これによって、Google検索で上位表示していたサイトが圏外になってしまうこともあります。
URLを変更するようなリニューアルを行う際は、必ず301リダイレクトを設定するようにしましょう。301リダイレクトを行うことで、前のサイトの評価を引き継ぐことができます。
失敗しないホームページリニューアルの流れ
ここでは、失敗しないホームページリニューアルの流れについて解説します。具体的な手順は、以下の通りです。
- 自サイトの現状分析を行う
- 競合サイトのリサーチを行う
- リニューアルの目的とKPIの設定
- サイトマップを作成する
- ワイヤーフレームを制作する
- トンマナを決定する
- Web制作を行う
- サイトを公開する
- 効果測定を行う
ホームページをリニューアルする際は、上記手順を参考に分業体制を築くことが大切です。ホームページのリニューアルは大きなプロジェクトとなる場合が多いため、効率的に作業を進めましょう。
自サイトの現状分析を行う
まずは、自社サイトの現状分析を行います。分析によって課題を明確化します。
Webサイト分析の基本は、Googleアナリティクスとサーチコンソールを確認することです。Googleアナリティクスではアクセス数やコンバージョン数などを、サーチコンソールではどのようなキーワードでアクセスされているのかを調べられます。
現状分析する際は、必ず具体的な数値をチェックしましょう。「多い・少ない」といった印象だけの分析では、課題を共有できないからです。
競合サイトのリサーチを行う
自社サイトの分析だけでなく、競合サイトについてもリサーチしましょう。同業者の運営するWebサイトや目標キーワードで検索上位を獲得しているページをチェックします。
以下のポイントを中心にリサーチしましょう。
- アクセス数はいくらか
- どのようなコンテンツを作っているか
- どのようにコンバージョンにつながる導線を作っているか
- どのようなキーワードで検索流入があるか
- どこからの被リンクがあるか
競合サイトのリサーチを通じて、自社サイトに足りていないコンテンツは何か、自社サイトの強みは何か、などの課題を見出しましょう。
リニューアルの目的とKPIの設定
自社サイトの分析と競合サイトのリサーチを行った結果から、リニューアルの目的を明確化します。目的がはっきりしたら、それを達成するためのKPIを設定しましょう。
KPIとは、目的を達成するための具体的な数値目標のことです。例えば、コンバージョン数の向上を目的とするなら、以下のような数値がKPIとなります。
- アクセス数の10%向上
- クリック率の3%向上
具体的な数値に落とし込むことによって、達成すべきゴールが明確になります。プロジェクトにかかわる全員が一目でわかるゴール=KPIを設定しましょう。
サイトマップを作成する
実際の作業に取り掛かる前に、リニューアル後のサイト構造を示したサイトマップを作成しましょう。サイトマップを作成することで、必要なコンテンツの数が把握できます。
サイトマップはホームページのデザインを作成する際にも役立ちます。サイトの全体像をサイトマップで把握しておけば、グローバルメニューに表示すべき重要なコンテンツがどれかわかります。
なお、サイトマップという言葉には、検索エンジンにホームページの情報を伝える「サイトマップファイル」や、ユーザーがホームページの全体像を把握するための「サイトマップページ」という意味もあります。注意しましょう。
ワイヤーフレームを制作する
ホームページのデザインを大まかにイメージするために、ワイヤーフレームを作成します。ワイヤーフレームとは、ページに必要な要素を記載した設計図のことです。
ワイヤーフレームでは、カラム数やメニューボタンの位置、コンテンツの位置などを決めていきます。ワイヤーフレームをもとに、具体的なデザイン案を練っていきます。
ワイヤーフレームはページに必要な要素を配置した設計図であるため、具体的な色やデザインまで指定する必要はありません。デザイン担当者とページ構成のイメージを共有できるよう、シンプルに制作しましょう。
トンマナを決定する
ブランドイメージを統一するために、ホームページのデザインには一貫したルールが必要です。このルールのことをトンマナ(トーン&マナー)と呼びます。
トンマナの具体的な例としては、以下が挙げられます。
- 配色
- 文体(ですます調、である調)
- フォント
- レイアウト
- 記号や数字の表記 etc…
文体や表記、イメージカラーがページごとにバラバラだと、ホームページの信頼性は低下します。トンマナは細かい点まで決めておくことが大切です。
Web制作を行う
ここまでの作業でホームページのリニューアル計画が固まったら、実際に制作していきます。スケジュールを立てて、分業体制を築きながら効率的に作業しましょう。
注意点として、Web制作は、リニューアル後の管理のしやすさも考慮したうえで行うようにしてください。ホームページの更新はリニューアル後も続くからです。
CMSを利用するのであれば、制作から管理まで自社で完結することができるでしょう。Web制作を外注する場合は、ホームページの更新方法などについてあらかじめ情報を共有することが大切です。
サイトを公開する
Web制作が終了したら、サイトを公開します。URLを変更する場合は、元のサイトから301リダイレクトを行うようにしましょう。
ホームページの公開は、完璧に仕上げてからでなくても構いません。もちろん必要な箇所は完璧に仕上げるべきですが、優先順位の低いブログ記事などのコンテンツは公開後少しずつ作成していきましょう。
リニューアル後のホームページを公開する際は、事前にお知らせすることも大切です。特に、ユーザビリティにかかわるほどのリニューアルを行うときは、ユーザーが戸惑わないようSNSなどで公開日時をお知らせしておきましょう。
効果測定を行う
ホームページはリニューアルしてそれでおしまい、というわけではありません。リニューアルの効果を測定することが大切です。
効果の測定には、最初に定めたKPIを参照します。KPIを達成できていなければ、更なる改善が必要です。原因を特定し、コンテンツの追加やリライトなどの対策をとりましょう。
効果測定を継続的に行うことで、ホームページの改善点を逐一把握できます。せめてGoogleアナリティクスやサーチコンソールは毎日チェックするようにしましょう。
まとめ
ホームページは一度作ったら永遠に使える、というものではありません。機械と同じように定期的なメンテナンス=リニューアルが必要です。
ホームページをリニューアルする際は、課題をはっきりさせることが大切です。何となくリニューアルするのでは、時間とお金を無駄にしてしまいます。
ホームページのリニューアルは、決して難しいことではありません。大切なのは、目的を明確にすることです。この記事を参考に、ぜひホームページのリニューアルを成功させてください。