web制作を行ううえで、HTML(エイチティーエムエル)は最も基本となる言語です。テキストや画像、リンクなどWebページの構造を作るための設計図として欠かせません。
また、HTMLの知識はデザイナーやエンジニアだけでなく、Webマーケティングやディレクション業務にも大いに役立ちます。正しく理解しておくことで、制作チームとのやり取りや修正指示がスムーズになり、より効果的なWeb運用が可能です。
この記事では、HTMLとは何か、その基本構造や代表的なタグの意味と使い方を初心者にもわかりやすく解説します。
これからWeb分野に関わりたい方や基礎を学び直したい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
HTMLとは?基本構造と役割

HTMLとは、Webページを作成するためのマークアップ言語です。
テキスト・画像・リンク・動画などのコンテンツを構造化し、ブラウザにどのように表示するかを指します。言い換えれば、HTMLはWebサイトの「骨組み」となる存在です。
HTMLでは、タグと呼ばれる記述を使ってコンテンツを定義します。たとえば、<p> タグで段落を作り、<a> タグでリンクを設定できます。こうしたタグを理解することで、Webページのレイアウトや構造を自在にコントロールできるようになります。
ポイント
HTMLを正しく理解すれば、Webページの見た目や構造の意図を把握でき、デザイナーやエンジニアと円滑にコミュニケーションを取ることも可能です。
タグとは?
HTMLの基本は「タグ」で構成されています。
タグはコンテンツの始まりと終わりを示し、<h1>タイトル</h1> のように開始タグと終了タグで囲んで使います。タグにはそれぞれ意味があり、見出し・段落・リンク・画像など、ページの構造や内容を指定します。
タグを正しく使い分けることで、検索エンジンやユーザーにとって理解しやすいページ構造を作ることができます。
要素とは?
要素(element)とは、タグで囲まれた1つのまとまりを指します。たとえば、次のように <p> タグで囲んだ部分全体が「段落要素」です。
<p>これは段落を表す要素です。</p>見出し(<h1>~<h6>)、段落(<p>)、リンク(<a>)、リスト(<ul>や<ol>)など、要素ごとに異なる役割があります。
これらを正しく使うことで、情報が整理されユーザーにとっても読みやすいWebページになります。
属性とは?
HTMLタグには、属性(attribute)と呼ばれる追加情報を指定できます。属性は開始タグ内に記述し、タグの動作や見た目を細かく制御します。
たとえば、画像を表示する<img>タグでは、src属性で画像のURLを指定しalt属性で代替テキストを設定します。
<img src="sample.jpg" alt="サンプル画像">同様に、<a>タグのhref属性でリンク先を指定したり、classやid属性を使ってCSSやJavaScriptと連携することも可能です。
属性を使いこなすことで、HTMLをより柔軟にコントロールできるようになります。
HTMLとCSSの関係

HTMLとCSSは、Webページを作るために欠かせない2つの基本言語です。HTMLはページの「構造(骨組み)」を作り、CSSは「デザイン(見た目)」を整える役割を持っています。
HTMLでは、文章や画像・リンクなどの内容を定義します。一方、CSS(Cascading Style Sheets)は、その内容に対して文字の色やサイズ、余白、レイアウトなどの装飾やデザインを指定します。
たとえば、HTMLで作った見出しに色やフォントを設定するには、CSSを使います。
<!DOCTYPE html>
<html>
  <head>
    <style>
      h1 {
        color: blue;
        font-size: 24px;
      }
    </style>
  </head>
  <body>
    <h1>HTMLとCSSの関係性とは?</h1>
  </body>
</html>上記の例では、HTMLが「見出しを作る」役割を、CSSが「その見出しを青くして大きく見せる」役割を担っています。このように、HTMLが“何を表示するか”を決め、CSSが“どう見せるか”を決める関係です。
また、実際のWeb制作では、HTMLファイルに直接CSSを書き込むのではなく、別ファイル(例:style.css)にスタイルをまとめ、HTMLから読み込む方法が一般的です。
<link rel="stylesheet" href="style.css">この方法を使えば、デザインを一括で管理でき、修正や更新も効率的に行えます。HTMLとCSSを組み合わせることで、構造とデザインの分離が可能になり、保守性の高いWebサイトを作ることができます。
CSSの詳しい使い方や書き方を知りたい方は、こちらの記事もおすすめです↓
HTMLの歴史と種類

HTMLは、Webページを作成するための基本言語であり、インターネットの発展とともに進化してきました。
最初のHTMLは1991年、ティム・バーナーズ=リー氏によって開発され、テキストやリンクを表示するだけのシンプルな仕組みでした。
その後、1997年に登場したHTML4でCSSやスクリプトが導入され、デザイン性の高いWebサイトが作れるようになりました。
さらに2014年に正式勧告されたHTML5では、動画や音声などのマルチメディア対応が進み、検索エンジンにも理解されやすいセマンティックタグが追加されています。
現在は、HTML Living Standardとして常に更新され続ける仕様となり、最新のブラウザやWeb技術に合わせて進化し続けています。
HTMLとSEOの関係

HTMLは、SEO(検索エンジン最適化)において非常に重要な役割を持ちます。検索エンジンはHTMLの構造を読み取り、ページの内容や関連性を判断しているため、正しい記述が欠かせません。
まず、タイトルタグはページの主題を示す最も重要な要素です。検索結果にも表示されるため、主要キーワードを自然に含めて設定しましょう。
次に、メタディスクリプションタグは検索結果の説明文として表示され、クリック率を左右します。簡潔で魅力的な文章を意識することが大切です。
また、見出しタグ(h1〜h3)を使って内容を整理すると、検索エンジンにもページ構造が伝わりやすくなります。画像にはalt属性を設定して内容を説明し、内部リンクを適切に設置することで関連ページへの誘導とSEO効果を高められます。
HTMLを正しく理解してマークアップを行うことは、検索エンジンにもユーザーにも分かりやすいWebページを作る第一歩です。
SEOの仕組みや効果をより深く理解したい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください↓
HTMLを扱う職種とは

HTMLは、Web業界で幅広い職種に活用されています。特に「Webデザイナー」「Webディレクター」「Webマーケター」は、業務の中でHTMLを理解しておくことが重要です。
Webデザイナーは、HTMLを使ってページの構造を作り、CSSと組み合わせてデザインを再現します。デザインだけでなく、ユーザーが見やすく操作しやすいWebサイトを作るうえで、HTMLの知識は欠かせません。
Webディレクターは、サイト全体の設計や制作進行を管理する役割です。HTMLの基本を理解しておくことで、デザイナーやエンジニアへの指示が明確になり、チーム全体の制作効率が向上します。
Webマーケターは、SEO対策の観点からHTMLタグを活用します。タイトルやメタ情報、構造化データなどを最適化し、検索エンジンからの評価を高めるのです。
このように、HTMLはWeb制作だけでなく、企画・運用・分析のすべての職種で基礎知識として求められるスキルといえます。
HTMLの学習方法

HTMLは独学でも学びやすい言語です。初心者の方は、まず無料で学べるオンライン教材やチュートリアルから始めるのがおすすめです。実際にコードを書きながら学ぶことで、タグや要素の意味が自然と身につきます。
基本を理解したら、書籍や動画教材を活用して知識を深めましょう。書籍は体系的に学べるうえに、復習にも役立ちます。YouTubeなどの動画解説は、実際の操作手順を視覚的に確認できるのがメリットです。
また、実際のWebサイトのソースコードを観察するのも効果的です。どのようにHTMLが使われているかを見て学ぶことで、実践的な理解が進みます。
ポイント
HTMLは一度覚えて終わりではなく、継続して学びながら手を動かすことが上達の近道です。自分のペースで小さなページから作ってみましょう。
HTMLファイルを作成する流れ

HTMLファイルは、以下の3つのステップで簡単に作成できます。
- テキストエディタでコードを作成する
 メモ帳や「Visual Studio Code」などのテキストエディタを開き、基本的なHTML構造を入力します。
- ファイルを保存する
 作成したコードを「example.html」のように .html 拡張子を付けて保存します。このとき、文字コードは「UTF-8」で保存すると文字化けを防げます。
- Webブラウザで確認する
 保存したファイルをダブルクリックまたはブラウザにドラッグ&ドロップして開きましょう。先ほど記述した内容がブラウザ上に正しく表示されれば成功です。
HTMLファイルの作成は、慣れてくると数分でできるようになります。まずはシンプルなコードから始めて、少しずつタグを増やしながら自分のWebページを作ってみましょう。
初心者が覚えておきたいHTMLの代表的なタグ

HTMLには数多くのタグがありますが、まずは基本となるタグから覚えるのがおすすめです。ここで紹介するタグを理解すれば、シンプルなWebページなら自分で作成できるようになります。
hタグ(見出し)
見出しを作成するタグです。<h1>から<h6>まであり、数字が小さいほど重要度が高くなります。
検索エンジンはhタグを基にページ構造を理解するため、SEOにも重要な要素です。
<h1>これは見出し1です</h1>pタグ(段落)
文章を段落ごとに区切るタグです。Webページの本文を整理する際に最も多く使われます。
<p>これは段落を示すテキストです。</p>aタグ(リンク)
別のページや外部サイトへ移動するためのリンクを作成します。
<a href="https://www.example.com">リンクのテキスト</a>ポイント
※ target="_blank"を指定すると、新しいタブで開けます。
imgタグ(画像)
画像を表示するためのタグです。終了タグを持たず、srcで画像パス、altで代替テキストを指定します。
<img src="image.jpg" alt="説明文">liタグ(リスト)
箇条書きや番号付きリストを作成します。<ul>(順序なし)または<ol>(順序あり)と組み合わせて使います。
<ol>
  <li>順序付きリスト</li>
  <li>順序付きリスト</li>
  <li>順序付きリスト</li>
</ol>
<ul> 
  <li>順序なしリスト</li>
  <li>順序なしリスト</li>
  <li>順序なしリスト</li>
</ul>tableタグ(表)
データを行と列で整理して表示します。<tr>で行、<th>で見出し、<td>でセルを定義します。
<table border="1">
  <tr>
    <th>見出し</th>
    <th>見出し</th>
  </tr>
  <tr>
    <td>データ</td>
    <td>データ</td>
  </tr>
</table>divタグ(ブロック要素)
ページ内の要素をグループ化するための汎用タグです。CSSと組み合わせてレイアウトを調整します。
<div class="box">コンテンツをまとめる領域</div>
spanタグ(インライン要素)
テキストの一部分をグループ化するための汎用タグです。単体では特別な意味を持ちませんが、特定の箇所だけにCSSを適用したり、JavaScriptで操作したりする際に便利です。
<span style="color: red;">テキスト</span>まとめ
この記事では、HTMLの基本的な仕組みや役割、そしてよく使われるタグの意味を解説しました。HTMLは、Webページの構造を作るための言語であり、すべてのWebサイトの土台となる重要な存在です。
タグの使い方や構造を理解しておくことで、デザインの意図を正しく伝えられるだけでなく、SEOやサイト運用にも役立ちます。Web制作を始める方は、まずHTMLの基本をしっかり押さえておくことが大切です。
今後は、Webページの見た目を整えるCSSや、動きを加えるJavaScriptなども学んでいくと、より実践的な制作スキルが身につくでしょう。
 
                  本記事の監修者
ピークスマーケティング株式会社 代表取締役
小森 健
大手広告代理店(東証プライム)でマーケティングやクリエイティブ作成を担当。
                  HP制作やLP制作、EC構築、デジタルマーケティングを得意領域とし、企画デザインからサイト実装まで一貫して対応可能なのが強み。
                  10年以上IT業界にいる知見を活かし、本サイトを運営。
                  
 
                   
									 
									 
									 
									 
									 
									 
									 
									 
									 
									 
            
            
