SEOとは?基本とやるべき施策・メリット・デメリットをわかりやすく解説!
SEOは、Webサイトへの集客を長期的に増やすために必須のマーケティング手法です。検索結果の上位に表示されることを目指し、継続的な集客効果を狙います。
SEOの基本は、検索ユーザーの求める情報を提供することです。SEOにはさまざまな手法がありますが、すべては質の高いコンテンツをユーザーに届けることを目指しています。
この記事では、SEOとはどのようなものなのか、そのメリットやデメリットについてわかりやすく解説します。
目次
SEOとは?基本をわかりやすく解説!
SEOとは、「Search Engine Optimization」の略で、検索エンジンがWebサイトを正しく理解できるように最適化することです。「検索エンジン最適化」とも呼ばれます。
Googleなどの検索エンジンでは、クローラーというプログラムがWebサイトを巡回して情報を収集しています。膨大な情報の中から、Googleはユーザーの検索に応じて最適なWebサイトを表示します。
クローラーがWebサイトを正しく認識できなければ、Googleの検索結果に表示されることはありません。適切なSEO施策を行うことで、Webサイトの内容がクローラーに正しく伝わり、検索結果の上位に表示されるようになります。
SEOの歴史と主なアップデート
SEOの歴史は、大きく3つの段階を経てきました。
- ブラックハットSEOの時代
- パンダ・ペンギンアップデートの導入
- モバイルフレンドリーアップデートの導入
ブラックハットSEO時代の主なSEO対策は、メタデータに大量にキーワードを詰め込んだり、被リンクを大量購入したりといった、今ではペナルティになるような施策が主流でした。ユーザーよりも、検索エンジンを意識した取り組みが中心だったのです。
ですが、2011年から2012年にかけて、グーグルはパンダアップデート・ペンギンアップデートという検索エンジンのアップデートを行いました。ブラックハットSEOにペナルティが与えられ、ユーザーの役に立つまっとうなコンテンツが上位表示されるようになります。
さらに、2015年にはモバイルフレンドリーアップデートが実施され、スマホに最適化したWebサイトの評価が高くなりました。
2024年現在のSEOでは、パンダ・ペンギンアップデートの流れを引き継ぎ、検索ユーザーが満足する質の高いコンテンツが上位表示しやすくなっています。
SEOにおける二種類の対策を解説!
SEOには大きく分けて2種類の対策方法があります。内部施策と外部施策です。
内部施策とは、Webサイトの内容をクローラーに理解してもらうよう、内部構造を最適化する施策のことです。外部施策とは、Webサイトにたどりつくまでの経路を最適化することです。
SEOはこのどちらか片方をやっておけば大丈夫、というものではありません。どちらも最適化することで、クローラーがWebサイトを正しく理解できるようになります。それぞれ、解説します。
内部施策とは
SEOの内部施策とは、クローラーがWebサイトの内容を正しく理解できるよう、Webサイトの内部構造を最適化する施策のことです。具体的な施策には以下のものがあります。
- タイトルや見出しにHTMLタグをつける
- メタディスクリプションを書く
- 内部リンクを貼る
- サイトマップを作成する
- ページの表示速度を早くする
- モバイル表示に対応する
クローラーはHTMLからWebサイトの構造や内容を理解します。<title>タグや<h2>タグ、<meta>タグを適切に用いることで、クローラーが情報を正しく理解できるようになります。
クローラーがWebサイトをすみずみまで巡回できるよう、サイト内のページに内部リンクを設定することも大切です。サイトマップを作成しておけば、クローラーは1つのファイルを参照するだけでサイト全体の構造を理解できます。
その他、ページの表示速度を早くしたり、モバイル表示に対応することも内部施策の一環です。
外部施策とは
SEOの外部施策とは、クローラーがWebサイトにたどり着けるよう最適な経路を作ってあげる施策のことです。外部施策には以下のものがあります。
- 被リンクを獲得する
- SNSを活用する
- ネット上で話題に取り上げてもらう
被リンクとは、他人のWebサイトから自分のWebサイトへのリンクを貼ってもらうことです。被リンクをたくさん獲得することで、流入経路が増えます。
Webサイトと並行してSNSを運用することも、外部施策の1つです。SNSで興味を持ったユーザーが、概要欄のリンクからWebサイトを訪れてくれるでしょう。
また、ネット上で自分のWebサイトが話題になるだけでも、SEO的な効果があります(サイテーション)。
ただし、被リンクやSNSのフォロワーは購入してはいけません。ペナルティを受けるリスクがあるからです。
検索エンジンの仕組みとSEOの基本
SEOの基本を知るには、検索エンジンがどんな仕組みなのかを知ることが大切です。検索エンジンは、以下の手順で検索結果を表示します。
- クローラーがWebページを訪れる
- Webページをインデックスする
- キーワードに応じて検索結果を表示する
クローラーが訪れたWebページは、Googleのデータベースに保存されます。これを「インデックス」と呼びます。ユーザーがキーワード検索をすると、インデックスされたWebページの中からふさわしいものが選ばれ、表示されます。
検索エンジンがインデックスするのは、検索ユーザーにとって価値のあるWebページのみです。質の低いWebページはクローラーが訪れても、インデックスされません。
SEOの基本は、質の高いコンテンツを作ることです。自分のWebサイトがユーザーの求める情報を提供できていれば、インデックスされて検索結果に表示されるでしょう。
アルゴリズムとは?
検索エンジンはある一定の方法によってWebページに順位をつけ、検索結果を表示します。検索結果を表示する規則のことを、アルゴリズムと呼びます。
Googleの検索エンジンは、200以上のアルゴリズムによって検索順位を決めているとされています。アルゴリズムは常に同じではありません。定期的にアップデートされ、そのたびに検索順位が変動します。
Googleはアルゴリズムの詳細を公開していませんが、Googleの「使命」や「Googleが掲げる10の事実」にはヒントが書かれています。
Google の使命は、世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにすることです。
Google – Google について、Google の文化、企業ニュース (about.google)
1. ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
Google が掲げる 10 の事実 – Google (about.google)
これらのヒントが伝えているのは、ユーザーファーストのコンテンツを作るべし、ということです。SEO施策の基本は、ユーザーがどんな情報を求めているのかを考えながらコンテンツを作ることです。
SEOのメリット
SEOが集客に効果的だということは知っていても、広告と比べてどう優れているのかわからない方も多いでしょう。SEOの主なメリットは、以下の3つです。
- 継続的な集客につながりやすい
- 中長期的に見ると費用対効果が高い
- ターゲットに合わせて集客ができる
短期的に集客できる広告と異なり、SEOは長期的に効果を発揮する集客方法です。これらのメリットを理解した上で、長期的なプロジェクトに耐えられる運用体制を築くようにしましょう。
継続的な集客につながりやすい
SEOの1つ目のメリットは、継続的な集客につなげられるということです。SEO施策を適切に行ったWebサイトは検索結果の上位に表示され、検索ユーザーが長い期間にわたって流入し続けます。
広告と異なり、SEOでは集客のために課金し続ける必要はありません。ユーザーが求める質の高いコンテンツを作るだけで、長期的な集客が見込めます。
多くの検索ユーザーの目に触れることは、Webサイトの「ファン」が増えるきっかけにもなります。ファンが増えればSNSなどで取り上げてもらう機会が増え、Webサイトの評価がさらに高まるでしょう。
ただし、検索エンジンのアップデートには注意が必要です。アップデートによる急な順位変動に対応するため、定期的なメンテナンスを必ず行いましょう。
中長期的に見ると費用対効果が高い
SEOの2つ目のメリットは、中長期的に見て費用対効果が優れていることです。短期的には効果が出にくいですが、地道に施策を続けることで継続的な効果をあげられます。
SEOでは質の高いコンテンツを作ったり、HTMLを最適化したりといった専門的な知識が必要です。ユーザーが求める情報を提供するには、ある程度の時間とお金をかけなくてはなりません。
しかし、ひとたび上位表示されれば、あとは定期的にメンテナンスするだけで継続的に集客できます。最初の投資が長く効果を発揮し続けるのです。
SEOの費用対効果を活かすには、長期的な視点でプロジェクトを管理することが大切です。少なくとも半年~1年以上のスパンで計画を立てましょう。
ターゲットに合わせて集客ができる
SEOの3つ目のメリットは、ターゲットをしぼって集客できるということです。自社の商品やサービスに興味がある顧客をピンポイントに狙えるため、効率的なマーケティングが行えます。
SEOでは特定の検索キーワードで上位表示されることを目指します。自社のターゲットが検索しそうなキーワードにしぼって対策することで、潜在顧客へ効率的にリーチできます。
SEOで成功するには、ターゲット像を明確にすることが大切です。具体的なペルソナを設定し、どんなキーワードで上位表示すれば興味を持ってもらえるかを考えましょう。
SEOではコンテンツの質が重要視されています。ターゲットが十分満足できるような、過不足のないコンテンツ作りにリソースを集中させましょう。
SEOのデメリット・リスク
SEOは適切に行えば大きな集客効果が見込めますが、デメリットがあるのも確かです。SEOの主なデメリットは、次の3つです。
- 成果が出るまで時間がかかりがち
- アルゴリズムの変動の影響が大きい
- コンテンツ制作のコストと労力がかかる
これらのデメリットを押さえたうえでSEOを行わなければ、満足いく成果が得られずリソースを無駄にしてしまうリスクがあります。自分のWebサイトがSEOに向いているのか、それとも広告の方が効果的なのか、施策を行う前によく考えることが大切です。
成果が出るまで時間がかかりがち
SEOの1つ目のデメリットは、時間がかかることです。求める成果が出るまでに3ヶ月から半年はかかると思ってよいでしょう。
SEOでは検索ユーザーを満足させるコンテンツを作らなくてはなりません。質の高いコンテンツを1つ作るには、数日かけて内容を練り上げることが必要です。量産することはできません。
また、立ち上げたばかりのWebサイトはクローラーが訪れにくいため、インデックスされるのにも時間がかかります。そこから上位表示されるまでは、さらに数ヶ月の時間が必要です。
このようにSEOは長期的なプロジェクトになりがちですが、その分継続的な集客効果があるのも確かです。SEO施策を行う際は、長期プロジェクトに耐えられる体制を整えるようにしましょう。
アルゴリズムの変動の影響が大きい
SEOの2つ目のデメリットは、アルゴリズムの変更によって検索順位が大きく変わることです。Googleはアルゴリズムの更新を不定期に行っており、そのたびにメンテナンスが必要になります。
アルゴリズムの更新による検索順位の変動は、Webサイトの運営にとって非常に大きなリスクです。それまで検索順位の1位だったサイトが一晩で圏外になることも珍しくありません。
例えば、2017年の医療健康アップデートでは、医療や健康に関するキーワードの検索上位から個人サイトやまとめサイトが一掃されました。代わりに、病院など専門的な機関のサイトが上位を占めるようになります。
順位下落のリスクに対応するには、ユーザーファーストのコンテンツを常に提供することが大切です。記事をリライトすることはもちろん、専門家の監修を受けて信頼性のあるコンテンツ作りを心掛けましょう。
コンテンツ制作のコストと労力がかかる
SEOの3つ目のデメリットは、コンテンツ制作にコストと労力がかかることです。現代のSEOでは質の高いコンテンツが求められるため、適当に量産した記事では検索上位が取れなくなっています。
質の高いコンテンツづくりは、企画段階から始まっています。文章や画像、動画を作ってそれでおしまいというわけにはいきません。以下のような作業が必要です。
- ターゲットの設定
- キーワードの選定
- 文章・画像の作成
- データのアップロード
- 装飾
- タグ設定
- リライト
これらの作業を効率よく行うには、負担が一ヶ所に集中しないよう分業体制を整えることが大切です。適切な分業体制を築くことができれば、質の高いコンテンツを継続的に作ることができるでしょう。
SEO対策の主な流れ
ここからは、SEO対策の主な流れについて、各ステップの具体的な内容とその重要性について説明します。
対策キーワードをリストアップする
SEO対策でまずはじめに行うことは、対策キーワードのリストアップです。自社のビジネスやサービスに関連するキーワードを抽出します。
対策キーワードのリストアップは、Googleのキーワードプランナーやahrefsなどのツールを活用すると便利です。例えばカフェを運営している場合は、「コーヒー」や「カフェ ランチ」「カフェ 東京 おすすめ」などが候補となるでしょう。
さらに、ロングテールキーワードも効果的です。これらは検索ボリュームが少ないものの、競合が少なく、ターゲットユーザーに対してピンポイントでアプローチできるメリットがあるからです。
適切なキーワードを選ぶことでユーザーが求めている情報を的確に提供できるため、サイトへの訪問者数が増加しやすくなります。
コンテンツを制作する
キーワードが決まったら、それに基づいたコンテンツを制作します。質の高いコンテンツは、検索エンジンからの評価を高めるだけでなく、ユーザーに有益な情報を提供するためにも不可欠です。
特に重視したいのは、他のサイトには無い独自の情報を盛り込むことです。独自の調査や情報、インタビューなどを入れることで、検索エンジンに評価されやすいコンテンツを制作できます。
また、キーワードを自然に含めることも大切です。タイトルや見出し、文中に自然に盛り込むことで、SEO評価を高めやすくなります。ただし、無理に詰め込みすぎるとユーザーにとって読みづらくなり、検索エンジンからも評価が下がる可能性があります。
また、文章だけでなく画像や動画を積極的に活用することも大切です。ユーザーにとって見やすく、理解しやすいコンテンツ制作を意識することで、サイトの評価は高まっていきます。
内部施策を実行する
内部施策では、タイトルタグやメタディスクリプションを設定するほか、内部リンクを増やして関連するページ同士をつなげる、ページの読み込み速度を最適化する、モバイルフレンドリーなデザインを採用するといった取り組みを行います。
また、インデックスを促すためにXMLサイトマップの作成・更新を行ったり、逆にクロールされたくないページを拒否するということも大切です。
ページが多くなるほど、サイト全体で見るとクローラーが巡回しにくいページが発生しやすくなります。これを対策するために、不要なページはクローラーが巡回しないように設定することで、重要なページが確実に巡回されるように調整するのです。
検索エンジンにインデックスを促す
新しいコンテンツを制作したら、検索エンジンにインデックスを促します。インデックスとは、検索エンジンがWebページをデータベースに登録することを指します。インデックスされないと、どんなに素晴らしいコンテンツを制作しても、検索エンジンに表示されることがありません。
インデックスを促すのは、Google Search Consoleを使用してサイトマップを送信するのが一般的です。サイトマップを送信することで、サイト内に存在するページを検索エンジンに伝えることができます。
また、内部リンクを適切に設定し、新しいページが他のページとつながるようにすることも大切です。クローラーは、基本的にリンクを辿ってページを発見します。そのため、内部リンクを張り巡らせることで発見されやすくなるのです。
検索順位を調査する
インデックスが完了した後は、検索順位を調査します。Search ConsoleやGRCなどのツールを活用して、特定のキーワードでどの位置にランクインしているかを調べます。
可能なら毎日調査できるように環境を整えることで、順位変動やアルゴリズムの変動にすぐ気付けるようになります。
また、競合サイトの検索順位も参考にし、自サイトとの比較を行いましょう。競合の対策方法やトレンドを把握することで、自サイトの改善点を見つけることができます。
定期的な検索順位の調査は、SEO対策の効果測定だけでなく、次の対策を検討するための重要な指標となります。
リライトや新たなコンテンツ制作を行う
SEO対策は、コンテンツを制作して終わり、ではなく継続的な取り組みが必要です。リライトや新たなコンテンツ制作を行うことで、評価を高めることができるのです。。
特に重要なのは、定期的な情報の更新です。googleは、最新の情報を評価して古い情報は評価を下げます。例えば料金プランやメニューなどは、最新の情報や季節に合わせて更新しましょう。
また、新しいキーワードやトピックに基づいたコンテンツを追加することも重要です。例えば、新たに「カフェのテイクアウトメニュー」についての記事を書くことで、異なる検索意図を持つユーザーを取り込むことができます。
リライトや新規コンテンツの追加は、検索エンジンからの評価を維持し、競合との差別化を図るためにも有効です。定期的にコンテンツを更新し、新しい情報を提供することで、サイト全体の評価を高めることができます。
まとめ
SEOの基本は、検索ユーザーが求めている情報を提供することです。内部施策や外部施策も、必要な人の元へ必要な情報を届けるために行います。
SEOは時代とともに進化しており、昔学んだことが現在では使えなくなっていることがよくあります。ですが、基本となるのは「Googleが掲げる10の事実」にもある通り、ユーザーファーストのコンテンツを作ることだけです。
SEOについて、難しく考えることはありません。人々の役に立つコンテンツを作ることで、自分のWebサイトの価値を高めることを目指しましょう。