Webデザインの基本とは?初心者が必ず身につけたい3要素と考え方

「Webデザインを学びたいけど、何から学べばいいかわからない」という方は多いのではないでしょうか。Webデザインを効率的に学ぶためには、まず基礎から身につけることが大切です。
そこでこの記事では、Webデザインの基本について解説します。これからWebデザインを学びたいという方はもちろん、すでにWebデザインに携わっているけれども基本を学び直したいという方も、ぜひ参考にしてみてください。
目次
Webデザインで身につけるべき基本とは
Webデザイナーとして活躍する上で、「デザイン」「ツール」「コーディング」という3つの基本項目を学ぶことが重要です。これら三要素をバランスよく習得することで、実践で役立つスキルが身につきます。
デザインの知識を深めることで、見た目の美しさだけでなく、ユーザーにとって使いやすいレイアウトや配色、フォントなどを選択できるようになります。人間の視線の動きや情報の整理方法を理解すれば、より直感的に操作できるWebサイトをデザインできるようになるでしょう。
Webデザインに欠かせないツールとしては、PhotoshopやIllustratorなどが挙げられます。さらに、FigmaやAdobe XDといった最新のツールを使いこなせるようになれば、Webサイトのデザインをより効率的に、そして視覚的に表現することが可能になります。
コーディングの技術を磨くことも、Webデザイナーにとって重要な要素です。HTMLやCSSなどの基礎をしっかりと理解することで、デザインの意図を正確にWebサイトに反映できます。さらに、CMSやフレームワークの知識を深めれば、より効率的にWebサイトを開発できるようになり、Webサイトの運用や更新もスムーズに行えるようになります。
Webデザインの基本的なパーツ
Webサイトを構成する要素には、以下のような基本的なパーツがあります。
- ヘッダー
- ナビゲーション
- ハンバーガーメニュー
- コンテンツ
- フッター
- サイドバー
それぞれ使いやすさや視認性を考慮して配置され、適切に組み合わせることで、ユーザーが求める情報にスムーズにたどり着ける設計が可能になります。まずは各パーツの役割を理解し、Webサイト全体の構成を把握しましょう。
ヘッダー
ヘッダーは、Webサイトの第一印象を左右する重要な要素です。各ページの最上部に配置され、サイトのタイトルやロゴ、ナビゲーションメニューなどが含まれます。
ユーザーがサイトを訪問した際に最初に目にする部分であるため、サイトのコンセプトやブランドイメージを効果的に伝える役割を担います。そのため、一目でサイトの内容が分かるデザインが理想的です。
また、多くのWebサイトでは、ヘッダーが全ページ共通で表示されます。これによりデザインに一貫性が生まれ、ユーザーはどのページを閲覧していてもサイトの全体像を把握しやすくなります。
結果として、明確で簡潔なデザインのヘッダーは、ユーザーの利便性向上に大きく貢献するのです。
ナビゲーション
ナビゲーションは、ユーザーがWebサイト内を迷わず移動できるようにするための重要な機能です。多くの場合、ヘッダー内やページ上部に固定される形で配置され、主要なページへのリンクをまとめたメニュー形式で設置されます。
ユーザーは、明確で分かりやすいナビゲーションが設定されていることで、目的の情報へ迅速にたどり着けます。結果、ユーザーエクスペリエンスが向上し、サイトの滞在時間が長くなる、コンバージョン率が向上する等の効果が期待できます。
さらに、現代のWebデザインにおいては、レスポンシブデザインへの対応が不可欠です。PCとスマートフォンでは画面サイズや操作方法が異なるため、各デバイスに最適化されたナビゲーションのレイアウトを構築することが求められます。
ハンバーガーメニュー
ハンバーガーメニューは、主にスマートフォンのように画面サイズが限られたデバイスで、ナビゲーションメニューを格納するために用いられるデザインパーツです。一般的に三本線のアイコンで表示され、タップするとメニューが展開されます。
このメニューを採用するメリットは、メニュー項目を非表示にすることで、コンテンツ表示のためのスペースを広く確保し、限られた画面を有効活用できる点にあります。
現在、モバイル端末ではハンバーガーメニューのアイコンが広く認知されているため、ユーザーは直感的に操作できます。また、最近ではデスクトップ向けのWebサイトでもデザインの簡素化を目的として採用されるケースも増えています。
コンテンツ
コンテンツは、Webサイトのメインとなる要素です。ユーザーが知りたいことを、テキスト、画像、動画などを組み合わせながら、ブログやニュース、動画、商品などの情報として伝えます。
Webデザインの腕の見せ所の一つでもあり、ユーザーが快適に情報を読み取れるように、文字の大きさや色、行間などを調整しながら、より魅力的なコンテンツを生み出します。
また、画像や動画を効果的に活用することで、コンテンツの魅力を高めることができます。適切な素材選びはもちろん、配置する場所やサイズなどにも配慮することでユーザーの理解を深め、Webサイトが目的を達成できるようにサポートします。
質の高いコンテンツは、ユーザーの満足度を高め、Webサイトの価値を高める上で非常に重要な役割を果たします。
フッター
フッターは、Webサイトの最下部に配置されるパーツです。一般的に、コピーライト表記、プライバシーポリシー、お問い合わせページのほか、会社情報やカテゴリページ、関連サイトへのリンクなどが含まれます。
ヘッダーやナビゲーションと比べると目立たない要素ですが、サイト全体の構成を理解しやすくするために、重要な役割を果たします。これらの情報を整理してフッターに配置することで、ユーザーは必要な情報に迅速にたどり着けるようになるのです。
さらに、フッターに公式SNSアカウントや関連ページへのリンクを設置することで、サイト内の回遊率が向上する効果も期待できます。ユーザーが求める情報を分かりやすく整理し、適切にまとめることが大切です。
サイドバー
サイドバーは、メインコンテンツの左右どちらかに配置され、補助的な情報を表示するためのパーツです。一般的に、カテゴリー一覧、新着記事リスト、広告などが掲載されます。
サイドバーにメインコンテンツと関連性の高い情報を配置することでユーザーの回遊率向上に繋がり、サイト全体の活性化につながります。例えば、ブログ記事の横に関連記事や関連商品を表示することで、ユーザーの興味関心を惹きつけ、他のページへのアクセスを促進できるでしょう。
しかし、サイドバーに情報を詰め込みすぎると、画面が煩雑になり、メインコンテンツの可読性を低下させてしまう可能性もあります。そのため、掲載する情報量を適切に調整し、レイアウトを工夫することが重要です。
また、効果的にサイドバーを活用することで、ユーザーのサイト滞在時間を増加させ、コンバージョン率の向上も期待できます。サイドバーは、UX(ユーザーエクスペリエンス)とも呼ばれるユーザー体験を向上させ、Webサイトの目的達成に貢献するための重要な要素の一つと言えるでしょう。
Webデザイン:配色の基本ルール
Webデザインにおいて、配色は重要な役割を果たします。配色次第で、Webサイトの印象は大きく変わります。ユーザーに好印象を与え、長く滞在してもらうためにも、配色の基本ルールを理解しておきましょう。ここでは、Webデザインにおける配色の基本ルールを3つの視点から解説します。
使用する色は3つに絞る
Webデザインで使用する色は、原則としてメインカラー、サブカラー、アクセントカラーの3色に決めるのが基本です。
色を絞ることで統一感が生まれ、情報が整理され洗練されたデザインになります。逆に、色が多すぎると視線の誘導が難しくなり、ユーザーの注意が分散してしまいます。
メインカラー、サブカラー、アクセントカラーは、70:25:5の比率で配色するのが美しい配色比率とされています。また、ベースカラーの彩度を上げた色をメインカラーとし、アクセントカラーはベースカラーやメインカラーの反対色を活用することで全体のデザインにメリハリが生まれます。
このように、色の役割を理解して適切な比率で配色することが、UXを高めることにつながります。
コントラスト比を考慮する
コントラスト比とは、最も明るい色と最も暗い色の「明るさの差(比率)」のことです。視覚情報における「見やすさ」「読みやすさ」に大きく関わる重要な要素であり、Webサイトの可読性に大きく影響します。
例えば、白い背景に薄い黄色の文字では、両者の明るさが近いため、文字が非常に読みにくくなります。これは、コントラスト比が低い状態です。反対に、白い背景に黒い文字ははっきりと読むことができます。これはコントラスト比が高い状態です。
コントラスト比は数値で表され、数値が大きいほどコントラストが強く、見やすいとされます。具体的には、白背景に白文字など、差が全くない状態である1:1から、白背景に黒文字など、差が最大の状態である21:1 までの範囲で表されます。
コントラスト比をチェックするツールは数多く存在するため、実際にチェックしながらコントラスト比を適切に設定することで、デザインの美しさだけでなく、UXの向上にも繋がります。
ターゲット層を意識する
Webデザインの配色を考える際には、ターゲット層を意識することが不可欠です。年齢や性別、取り扱う商材などによって、好まれる色や与える印象は異なります。
たとえば、金融系のWebサイトでは青や緑といった落ち着いた色が多く使われ、エンターテインメント系のWebサイトでは、赤やオレンジ、黄色といった明るい色が使われる傾向があります。
また、若い世代をターゲットにしたWebサイトであれば鮮やかでエネルギッシュな色使いが効果的ですが、年配の方向けのWebサイトでは目に優しい色使いが好まれる傾向にあります。
ターゲット層の属性や好みを正しく理解し、適切な配色を選ぶことが大切です。
Webデザイン:文字フォントの基本ルール
Webサイトのデザインにおいて、文字フォントはUXに大きな影響を与えます。適切なフォントを使用すれば、コンテンツを読みやすくし、Webサイト全体の印象を高められます。
そこで、Webデザインにおける文字フォントの基本ルールを解説します。これらを理解し、実践することで、より効果的で魅力的なWebサイトを構築できるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。
種類ごとの特徴
まず、文字フォントは文字の端に装飾がついた「セリフ体」と、装飾がないシンプルなデザインの「サンセリフ体」に別れますが、Webデザインではサンセリフ体が使われます。
その上で、Webデザインで使用される日本語フォントは、主に角ゴシック体、丸ゴシック体、明朝体、そしてデザインフォントの4つに分類されます。
角ゴシック体は、線の太さが均一に近く、文字の先端に飾りが無いため、画面上でも読みやすい書体です。丸ゴシック体は角が丸みを帯びており、柔らかく優しい印象を与えます。
一方、明朝体は、線の太さに抑揚があり、先端に「うろこ」と呼ばれる飾りが付いているのが特徴です。明朝体は、日本語の文章では伝統的に使用されてきた書体であり、信頼感や真面目な印象を与えます。
そして、デザインフォントは、ロゴや見出しなどに使われる装飾性の高いフォントで、強い印象や個性を演出したい場合に有効です。
それぞれに異なる特徴があるため、Webサイトの目的やターゲットに合わせて使い分けるようにしましょう。
フォントサイズは16pxが基本
Webデザインにおけるフォントサイズは、16pxを基本とするのが良いでしょう。小さすぎる文字は読みにくく、ユーザーにストレスを与えてしまいます。逆に、大きすぎる文字は間延びした印象を与え、洗練されたデザインを損なう可能性があります。
実際、一般的にブラウザのデフォルトのフォントサイズは16pxに設定されており、特別な設定をしなくても16pxの文字サイズで表示されるように作られています。
このサイズを基準に、見出しや強調したい箇所など、必要に応じて文字サイズを調整しましょう。文字の大きさに適切なメリハリをつけることで、ユーザーは情報をスムーズに理解でき、コンテンツを快適に閲覧できます。
見やすい行間は1.5〜2.0
多くのWebサイトにおいて、行間をフォントサイズの1.5倍から2.0倍程度に設定すると、快適に読めるとされています。これは、視覚心理学や人間工学的の研究から言われており、デザイン関連の多くのガイドラインでも、1.5倍から2.0倍程度の行間が推奨されています。
行間は、テキストの読みやすさに直結する重要な要素です。行間が狭すぎると文字が詰まって見え、読むのが大変になります。逆に広すぎると、視線の移動が大きくなりすぎてしまい、文章の流れを追いにくくなります。
特に、ターゲットユーザーの年齢層や使用デバイスなども考慮し、最適な行間を見つけることが重要です。適切な行間を設定して、ユーザーの離脱を防ぎ、コンテンツをじっくりと読んでもらえるようなデザインを心がけましょう。
Webデザイン:コーディングの基本
Webデザインを形にするには、コーディングの基本を理解することが大切です。
デザインの意図を正しく反映し、ユーザーにとって快適なサイトを作るためには、HTMLで構造を作り、CSSでスタイルを整え、さらにモバイル向けの調整を行う流れが基本となります。
ここでは各ステップごとに、基本となる要素や身につけておくべき知識を解説します。
HTMLの構造を理解する
HTMLはWebページの骨組みとなるマークアップ言語です。HTMLを正しく記述することで、Webブラウザはページの構成を理解できるようになり、制作したデザインや文字を表示できるようになります。
HTMLは、以下のような「タグ」と呼ばれる記号で構成されています。
タグ名 | 意味 |
hタグ | 見出しを設定する |
pタグ | 段落を表現する |
aタグ | リンクを設定する |
タグは、「<」と「>」で囲まれ要素の開始と終了を表します。また、要素の終了を宣言する際はタグの前に「/」を記述します。例えば、見出しを表示したい場合は以下のように記述します。
<h1>タイトル</h1>
これらの要素を組み合わせ、階層的に配置することで、ページの構造を構築します。正しいHTMLの記述は検索エンジンにも評価されやすくなるため、知識を身につけることでSEOにも貢献できるようになります。
CSSで見た目を整える
HTMLがWebページの骨組みを設計するのに対し、CSSはWebページのデザインやレイアウトを表す言語です。色やフォント、レイアウトなどをデザインし、ユーザーにとって魅力的で使いやすいWebサイトを実現します。
CSSは、HTMLで記述した要素に対して、どのような見た目にするかを指定する「プロパティ」と「値」の組み合わせで記述します。例えば、見出しの文字色を赤にする場合は以下のように記述します。
p { color: red; }
pはスタイルを適用する対象、colorは文字色を変更するプロパティ、redは色を赤に設定する値です。このように、具体的な指示を記述します。
CSSを適切に用いればWebサイトのブランドイメージを高め、ユーザー満足度を向上させられるでしょう。CSSを学ぶことで、UXをより向上できるようになります。
モバイルファーストでコーディングする
近年のSEOは、モバイル端末での表示を前提とする「モバイルファースト」の考え方が基本です。
スマートフォンでは横幅が限られるため、小さな画面でもストレスなく操作できるようにテキストのサイズやボタンの配置を工夫します。また、読み込み速度を考慮し、画像の最適化や不要なコードの削減を行うことも重要です。
また、Webサイトの制作方法はレスポンシブデザインで制作する方法と、スマートフォン用とPC用で別々にWebサイトを制作する方法の二種類が存在します。
レスポンシブデザインは、1つのHTMLファイルとCSSファイルを用いて、ユーザーが使用するデバイスの画面サイズに合わせて、レイアウトを柔軟に変更する手法です。メンテナンスが容易ですが、サイトの読み込み速度が遅くなる可能性がある点は注意が必要です。
いずれの制作方法を選択するにしても、Web制作を行う際はモバイルファーストでコーディングすることが基本となります。
まとめ
Webデザインは、「デザイン」「ツール」「コーディング」の3つの項目が基本となります。それぞれに身につけるべき知識やスキルがあるため、一つ一つ学ぶようにしましょう。
また、今回紹介した各要素はWebデザインの基礎の基礎であり、それぞれに深く掘り下げて学ぶべき要素がたくさんあります。
さらに、Webデザインは常に新しい技術やトレンドが登場し、進化し続けています。そのため、継続的に学び続けることがWebデザイナーとしての成長に繋がります。
日々の学習を積み重ね、Webデザインのスキルを身につけていきましょう。