ペルソナを作ったのに、制作中に「結局どっちが正解?」と迷ってしまう。
あるいは、資料としては立派なのに、コピーやUIの判断に使えない。
この原因は、ペルソナが「人物紹介」で止まり、デザインの意思決定に必要な情報が不足していることが多いからです。
この記事では、デザイン制作で本当に使える形にするために、
- 必要項目のチェックリスト
- デザイン思考の中でのペルソナの扱い
- コピー・導線・UIへの落とし込み手順
- 気を付けたいポイント
を、実務向けにわかりやすく整理します。
そもそも「ペルソナ設定とは何か?」と感じた方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。基礎から理解でき、より深い知見を得ていただける内容になっています。
関連記事:ペルソナ設定とは?重要性やメリット、設定方法や注意点
目次
ペルソナ設計で“デザインが決まる”状態とは

ペルソナ設計のゴールは、年齢や趣味を埋めることではありません。
制作の途中で迷ったときに、判断が戻れる“基準”を用意することです。
デザイン現場で迷いが出やすいのは主にこの3つです。
- 何を先に見せるか(情報の順番)
- どんな言葉で伝えるか(コピー)
- どう見せて信頼を取るか(トンマナ/UI)
だからペルソナも、次が説明できる形になっている必要があります。
- 何を怖がる?(不安・損・失敗・手間)
- どこで止まる?(迷いポイント)
- 何が揃うと進む?(決め手)
- 何と比べる?(比較対象)
ペルソナ設計に必要な項目チェックリスト
「細かいプロフィール」より、意思決定に必要な情報を先に揃えると、ペルソナが一気に“使える”状態になります。
| 🧩カテゴリ | ✅項目 | 🧠質問 |
|---|---|---|
| 👤だれ? | 役割(ロール) | 決裁者 / 実務者 / 法務など、どの立場? |
| ⏱️なぜ今? | いまの状況 | なぜ今?(きっかけ・締切・困りごと) |
| 🎯ゴール | 目的(達成したいこと) | 理想の状態は? |
| 😟ブレーキ | 不安(PAIN) | 失敗したくないことは? |
| 🤔迷いどころ | 迷いポイント | どこで比較する?何がネック? |
| ✅GO条件 | 決め手(TRIGGER) | 何が揃うとGOが出る? |
| 🆚比較相手 | 比較対象 | 誰と比べる?(競合/現状の代替手段) |
| 🔎調べ方 | 情報収集行動 | どこを見る?(検索/SNS/口コミ/資料/事例) |
| 🧭判断軸 | 判断基準TOP3 | 選ぶ軸を3つに絞ると? |
| 👀最初に知りたい | 最初に求める情報 | 1ページ目で見たいことは? |
ペルソナ設計にあると強い項目チェックリスト
| 🔥カテゴリ | ✅項目(そのまま使う) | 🧠質問(例) |
|---|---|---|
| ⚠️言葉の地雷 | NGワード/地雷 | 嫌いな表現、誇大に感じる言い回しは? |
| 📝社内稟議 | 社内の合意条件 | 稟議・上申で必要な材料は? |
| 🧺手間の限界 | 許容できる手間 | 入力/比較/相談の手間の限界は? |
| 🛡️信頼の根拠 | 信頼の根拠 | 何があると信じる?(資格/実績/第三者/顔/会社情報) |
| 👥同席者 | 意思決定の同席者 | 誰と一緒に見て決める? |
ペルソナデザインとは?デザイン思考での扱い(共感→定義→検証)

ペルソナは“完成品”ではなく、制作と検証で精度を上げる道具として扱います。
共感:想像ではなく“材料”を集める
おすすめは、共感マップなどで「感情」と「行動」を先に揃えることです。
- 見ている(比較対象)
- 聞いている(周囲の声)
- 考えている/感じている(本音)
- 言っている/やっている(表の行動)
- 痛み(不安)
- 得たいもの(理想)
定義:課題文を1行で固定する
ペルソナがブレる一番の理由は「解くべき課題」が曖昧なこと。
1行で固定すると、制作中に戻れる基準になります。
- 「(役割)の(誰)が(状況)で(課題)を抱えていて、(必要)が揃うと行動できる」
検証:公開後に更新する前提を持つ
ペルソナは「完成品」ではなく、公開して初めて精度が上がる“仮説”です。
作った時点で正解かどうかは分からないので、公開後の反応を見て「当たっていた部分/ズレていた部分」を更新していきます。
検証で見るポイントは、数字に直結するところからでOKです。たとえば次のような項目を見れば、「不安が強いのか」「比較したいのか」「今すぐ動けるのか」が読み取れます。
公開後に見る指標の例:
-
FVのスクロール率:そもそも続きを読む気になっているか
-
CTAクリック率:興味はあるが、行動の背中を押せているか
-
比較表の閲覧率:比較優位のペルソナが多いか(選定軸が必要か)
-
FAQの閲覧率:不安優位のペルソナが多いか(保証・根拠が足りないか)
-
フォーム離脱地点:入力の負担が重いか、情報不足で止まっているか
こうした結果を見て、「判断基準TOP3」や「最初に求める情報」を微調整すると、ペルソナが“現場で使える設計図”に育っていきます。
実務フロー:ペルソナをコピー・導線・UIに落とし込む手順

「ペルソナがあるのにデザインが決まらない」を解消するには、変換工程が必要です。
Step1:入口を揃える(検索/広告/紹介)

入口が違うと前提が違います。まず「どの入口の人のペルソナか」を決めます。
同じサービスでも、検索経由は「自分で探しに来た人」、広告経由は「気づかせる必要がある人」になりやすいです。
Step2:判断基準TOP3を確定する
判断基準が3つに絞れると、ページ構成が決まりやすくなります。
例:
- 「失敗したくない」
- 「自分のケースに近い事例が欲しい」
- 「手間を増やしたくない」
Step3:変換する(ペルソナ→デザイン)
ペルソナが固まったら、次は「デザインでどう見せるか」に翻訳します。不安・迷い・決め手を、コピーの順番や導線、UI要素(比較表・事例・FAQ・CTA)に落とし込むことで、制作中の判断がブレにくくなります。
- 不安(PAIN)→ 保証/実績/FAQ/流れ の順番
- 決め手(TRIGGER)→ FVコピー/見出しの優先度
- 迷い → 比較表/選定軸/事例の出し方
- 行動 → CTA位置/フォーム項目/ボタン文言
- 信頼の根拠 → 写真トーン/余白/色/会社情報の出し方
弊社の実務例:不安優位のペルソナ向けに「安心材料を先出し」して離脱を減らす
-
FVで「実績・保証・選ばれる理由」を先に出す
-
「料金・対応範囲・流れ」を上の方に置く
-
CTAの文言を軽い一歩にする(例:お試し等)
見る指標
公開後は、「不安が解消できているか」「情報が足りずに止まっていないか」をヒートマップなどを使用して確認します。FAQ閲覧率が高い場合は、安心材料が不足していて不安解消のためにFAQを探している可能性があります。
フォーム途中離脱が多い場合は、入力前に知りたい情報(料金・対応範囲・流れなど)が足りず、判断できないまま離脱していることが考えられます。
FVスクロール率が低い場合は、最初の画面で安心の根拠が弱く、続きを読む前に離脱してしまっているサインです。
ペルソナ設計を行う際に気を付けたいポイント(落とし穴)
ここを押さえるだけで、初めてでも失敗しにくくなります。
注意点1:プロフィールを盛っても、意思決定は見えない
趣味や休日は悪くないですが、優先順位は低め。
まずは 不安・迷い・決め手・比較対象・判断基準 を埋めるのが先です。
注意点2:「理想のお客さん」を混ぜると外す
“来てほしい像”と“迷っている現実”が混ざると、ページの温度感がズレます。
理想像は戦略として別管理し、ペルソナは現実の意思決定に寄せるのが安全です。
注意点3:1人に絞りすぎるとBtoBは壊れる
決裁者・実務者・制約担当は見たい情報が違います。
「人数」ではなく、導線が分かれる数で分けると整理できます。
注意点4:作って終わる
ペルソナは仮説です。
検証指標(CTA/離脱/比較表/FAQ)を先に決め、結果で更新する前提にします。
注意点5:チームで同じ解釈にならない
ペルソナシートだけだと、解釈が割れます。
課題定義1行+判断基準TOP3をセットにするとブレが減ります。
まとめ
ペルソナ設計とは、人物プロフィールを作ることではなく、デザイン判断の基準づくりです。
- 必要項目は「不安・迷い・決め手・比較対象・判断基準TOP3」を中心に揃える
- デザイン思考の流れでは、ペルソナは共感→定義→検証で磨かれていく
- 最後に「ペルソナ→コピー/導線/UI」へ変換して初めて実務で使える
次の一歩:設計から成果物まで一緒に作りたい方へ
ペルソナを整えても、「結局どの順番で見せる?」「このコピーは強いの?」「このUIで不安は消える?」といった部分で手が止まることがあります。
私たちは、ペルソナの整理だけで終わらせず、ページ構成(ワイヤー)・コピー・デザインへの落とし込みまで含めて、意思決定が進む形に整える支援を行っています。
初めてペルソナ設計に取り組む場合でも、現状ヒアリングから必要項目を一緒に洗い出し、検証指標までつないで設計が可能です。
「作ったペルソナが活きていない」「デザイン判断がブレる」という状態なら、お気軽にご相談ください。
本記事の監修者
ピークスマーケティング株式会社
代表取締役 小森 健
本記事の監修者
ピークスマーケティング株式会社 代表取締役
小森 健
ベンチャーから大手広告代理店まで、Web制作・デジタルマーケティング領域に従事。
複雑なWebサイト制作、LP制作、比較サイト制作、ECサイト構築、動画制作を中心に、情報設計・デザイントンマナ設計を起点としたフロントエンド設計・CSS・PHP実装まで一貫して対応。
本記事では、Web制作の実務経験をもとに、内容の正確性と実務での再現性の観点から監修を行っています。