美容系LPのデザインにおいて、「トンマナ(トーン&マナー)」は
単なる色の好みや流行ではありません。
トンマナは、ユーザーにどう判断してもらうかを設計する行為です。
特にアートメイクのように、
- 施術単価が高い
- 技術力への信頼が重要
- 失敗したくない心理が強い
サービスでは、
デザインの印象=サービスの信頼度と言っても過言ではありません。
本記事では、
淡いトンマナから黒ベースのスタイリッシュなデザインへ変更した
アートメイクLPの制作事例をもとに、
なぜその判断に至ったのかをデザインの視点から解説します。
目次
Before|淡い統一感のある美容系デザイン
初期段階では、美容系LPとして王道とも言える
淡く、やさしい色味で統一したトンマナを採用しました。
このトンマナは、
- 清潔感・安心感を与えやすい
- 初回ユーザーの心理的ハードルを下げられる
- エステ・美容系と相性が良い
といったメリットがあります。
実際、脱毛・エステ・ネイルなどでは、
淡色デザインが成果につながるケースも多く存在します。

課題|「やさしい」だけでは足りなかった理由
クライアント様からいただいたのは、
もう少しプロフェッショナル感が欲しい
というフィードバックでした。
ここで重要なのは、
「綺麗=信頼される」ではないという点です。
デザイン知識①:明度が印象を左右する
色の印象は「何色か」よりも、
どれくらい明るいか(明度)によって大きく変わります。
- 明度が高い(淡色)
→ やさしい・親しみやすい - 明度が低い(濃色)
→ 重厚感・信頼感・専門性
淡色中心のデザインは安心感を生む一方で、
技術力・価格の高さ・施術者の自信を伝えるには弱くなる場合があります。
アートメイクは「誰が施術するか」が結果を左右するため、
やさしさよりも“任せられる感”が重視される領域です。
提案|黒ベースのスタイリッシュなトンマナへ
そこでご提案したのが、
黒を基調としたスタイリッシュなトンマナです。
デザイン知識②:色数を減らすほど「プロ」に見える
高単価サービスや専門職のWebサイトでは、
使われている色数が非常に少ない傾向があります。
色数が多いと、
- 情報が散らかって見える
- チラシ感・安っぽさが出やすい
一方、色数を抑えることで、
- メッセージが明確になる
- 無駄がなく洗練された印象になる
- 高価格でも納得感が生まれる
黒ベースのデザインは、
「技術で勝負している」「ブレない専門性」を視覚的に伝えるのに適しています。

黒ベースでも「美容系らしさ」を失わないために
黒ベース=重い・怖い、という印象を持たれることもありますが、
実際は設計次第です。
デザイン知識③:余白は「自信」を表現する
余白は単なる空白ではありません。
余白は、余裕と自信を伝えるデザイン要素です。
情報を詰め込みすぎると、
- 売り込み感が強くなる
- 必死さが伝わる
高単価な美容サービスほど、
- 見せる情報を絞る
- 余白をしっかり取る
ことで、
落ち着き・安心感・プロフェッショナル感を演出できます。
大幅にはデザインを変えていなくても、黒ベースのLPでは、
余白感とスタイリッシュ系の装飾によるメリハリをつけることで、
重くなりすぎない上品さを保っています。
淡色が向いている業種/黒ベースが向いている業種
トンマナ選定の目安として、業種別に整理すると以下の通りです。

| トンマナ | 向いている業種 |
|---|---|
| 淡色・やさしい | エステ、脱毛(低〜中価格帯)、ネイル、リラクゼーション |
| 黒・濃色ベース | アートメイク、美容医療、高単価サロン、専門施術 |
※あくまで傾向であり、ターゲットやブランディング次第で変わります。
価格帯 × トンマナの関係性
美容系LPでは、価格帯とトンマナの印象が一致しているかが重要です。
デザインが綺麗でも、価格に対して軽く見えると、ユーザーは違和感を覚えます。
高価格帯サービスで淡くカジュアルなトンマナを使うと、
「なぜこの価格なのか」が伝わりにくくなります。
逆に、低価格帯で重厚すぎるデザインは、敷居の高さを感じさせてしまいます。
価格帯は、ユーザーが無意識に期待するデザインの基準でもあり、
トンマナ設計では必ずセットで考えるべき要素です。
デザイン知識④:価格とデザインはセットで考える

| 価格帯 | 相性の良いトンマナ | 理由 |
|---|---|---|
| 低価格帯 | 淡色・親しみやすい | 入りやすさ・安心感 |
| 中価格帯 | 淡色+締め色 | バランス重視 |
| 高価格帯 | 黒・濃色ベース | 専門性・納得感 |
価格が高いにもかかわらずトンマナが軽いと、
「なぜこの価格なのか?」という疑問が生まれやすくなります。
トンマナに正解はないが「ズレ」は成果を下げる
トンマナ自体に正解・不正解はありません。
しかし、
- サービス内容
- 技術力
- 価格帯
とデザインの印象がズレていると、
ユーザーの判断が止まります。
今回の事例では、
淡色 → 黒ベースへ変更することで、
サービス価値と視覚的印象のズレを解消しました。
まとめ|トンマナ設計は成果を左右する
美容系LPのデザインでは、
- おしゃれかどうか
- 流行っているか
以上に、
「このデザインは、サービスの価値を正しく伝えているか」が重要です。
トンマナは感覚ではなく、設計です。
私たちは、成果・ブランディングにつながるトンマナ設計を前提としたWeb制作を行っています。
本記事の監修者
ピークスマーケティング株式会社
代表取締役 小森 健
本記事の監修者
ピークスマーケティング株式会社 代表取締役
小森 健
ベンチャーから大手広告代理店まで、Web制作・デジタルマーケティング領域に従事。
複雑なWebサイト制作、LP制作、比較サイト制作、ECサイト構築、動画制作を中心に、情報設計・デザイントンマナ設計を起点としたフロントエンド設計・CSS・PHP実装まで一貫して対応。
本記事では、Web制作の実務経験をもとに、内容の正確性と実務での再現性の観点から監修を行っています。